米国で直接製造された製品や開発された技術ではないが、先方企業からECCN番号の確認を強く求められている・・・このような場合には、例え日本の企業であっても米国の輸出管理法規が関わってきます。このため、ECCN判定は、国際貿易を進めるに当たって必須確認項目となりつつあります。
日本の企業は外為法の確認に加えて、Export Administration Regulation:EARにおけるECCN番号を把握し、域外適用のリスクフリーな取引きを推進していかなければなりません。
米国の貿易管理規則のひとつで、米国商務省産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)が所管している行政規則の一つです。
我が国の外為法と類似した法律で、汎用品とよばれる「デュアルユース」と呼ばれる民生用の製品・技術・ソフトウェアの輸出、移転、米国外(例:日本)から第三国(例:中国)への再輸出を取り扱っており、米国輸出管理規則(Export Administration Regulations:EAR)により執行されています。
米国製品などの移転についてEARの適用により、国際輸出管理レジーム以外に米国固有の安全保障政策から推進されております。
Microsoft社、Macafee、Dellなどといった大手米国企業が、EARコンプライアンスにライセンス条項などにより努めているのはこの背景があります。
◆Bureau of Industry and Security(EAR)公式サイト:https://www.bis.doc.gov/index.php
EARは品目と行為を規制していますが、一般的には行為以上に品目が注目されます。
再輸出には、再輸出の予定製品等がそもそもEAR対象となる物品がどうか(ECCN、EAR99)を第一にチェックする必要があります。
特に、EARの改正が頻繁にある暗号(encripiton)とEARの関係は注意をする必要があります(さらに600番台のECCNを含む)。
EAR規制対象品目 |
EAR規制対象品目(Items subject to the EAR)は以下の3つです。
「1」.米国国外にあるすべての米国原産品目(U.S.ORIGIN)
「2」.米国原産品目を一定レベル(DeMinimis Level)以上組み込んだ海外製品の品目
「3」.テロ支援国家等を除く国家向けの再輸出であり、「NS」規制理由がつく米国原産の技術、ソフトウェアで米国外で作られた製品(直接製品)
EAR規制対象行為 |
普段はあまり意識されない事項かもしれませんが、米国人が大量破壊兵器などの拡散に関与する行為などはEARに規制されています。これは、上記①の貨物や技術などにEARが適用されるかどうかに関係なく規制される行為です。
また、再輸出の相手が、EARにおけるDPLなどに記載のある(輸出権限を剥奪された)規制団体等と取引を行う行為も規制されています。そのため、取引相手がEARの規制団体であるかどうかは、取り引き前に商務省等の関連サイトで確認をするなど意識しておくべき事項といえます。
EARでは、輸出規制として一般的禁止事項(General Prohibitions:GP)を設けており、これが実質的に輸出のための許可基準と考えられます。
なお、EARにはpart740、ECCNにおける「Reason for Control」において、許可例外基準が整理されおりますので、必要により確認する必要があります。
以下に、EAR適用対象かどうかのフローを記載しております(出典:EAR SUPPLEMENT No2 To Part732-SUBJECT TO THE EAR)
※同業他社の方からのお問い合わせは固くお断りいたします。
※弊所と酷似したWebサイトにつきましては、調査の上で法的措置をとることがございます。
行政書士ファインテック技術法務事務所
〒461-0011 愛知県名古屋市東区白壁1-45 白壁ビル711 Tel:052-228-9772
※令和4年10月に事務所移転及び電話番号変更致しました。